一般の人々を対象にした、独立した94件の検証(参加者8,000人以上)のメタ分析では、実行意図(「状況Xが起きたら、反応Yを行う」)を立てると、目標の達成に中程度から大きな効果(d = 0.65)があることが分かりました。これは特殊な研究結果ではありません。行動心理学で最も頑健な効果の1つです。
仕組みはこうです。ある状況への対応を前もって決めておくと、きっかけと反応の自動的な結びつきができます。脳があらかじめ行動を準備しておくので、きっかけが来たときに、何をするかを決めるために実行機能を使う必要がありません。ただ行動するだけです。
GawrilowとGollwitzer(2008年)は、ADHDのある男児を対象に、実行意図を検証しました。実験室での課題で、「もし〜なら」式の計画によって、男児の抑制(望ましくない反応を抑えること)が、ADHDのない男児と同じ水準まで高まりました。この研究が測ったのは抑制であり、男児が目標をやり遂げたかどうかではありません。
リセットバンクは、これをそのまま応用しています。小休止にあらかじめ名前をつけておく(「このタスクが終わったら、近所をひと回り歩く」)と、実行意図を立てたことになります。決断は済んでいます。きっかけ(タスクの完了)が、あらかじめ準備された反応(散歩)を引き起こします。その場での意志の力は要りません。