メタ認知とADHD
タスクにかかる時間を読み違えることはよくありますが、そのずれが測られて目に見えることはめったにありません。
メタ認知は、自分の認知プロセスをモニタリングし、評価する力のことで、Flavell(1979年)が、認知発達の独立した領域として体系づけました。自己モニタリング(「いま、どのくらいできているか」)、自己評価(「見積もりは正確だったか」)、自己調整(「次は何を調整すればよいか」)を含みます。
Barkley、Murphy、Fischer(2007年)は、ADHDのある子どもと成人は、テストで確かめられた結果よりも、自分の成績を高く評価することが多いことを示唆する研究をまとめています。時間の見積もりは、別の問題です。人は一般に、これから行うタスクにかかる時間を短く見積もりがちです。その一因は、過去のタスクにかかった時間を誤って覚えていることです(Roy、Christenfeld、McKenzie、2005年。一般の人々を対象にした研究のレビュー)。また、ADHDのある子どもとティーンは、同年代の子に比べて、時間の判断が不正確で、ばらつきも大きくなります(Zhengら、2022年)。これらのいずれも、ADHDで予定と実際の時間の記録を検証したものではありません。
Toplak、West、Stanovich(2013年)は、測定についての注意点を加えています。実践者向けにまとめた20件の研究のレビュー(子どものサンプル13件と成人のサンプル7件、臨床群と非臨床群の両方)では、実行機能の実験室での検査と評価尺度がほとんど一致せず(相関の中央値は.19)、別のものを測っているように見えます。これは実行機能の測り方についての知見であり、ADHDのある人が自分をどれだけ正確に判断できるかを示す根拠ではありません。
出典
Flavell, J. H. (1979). Metacognition and cognitive monitoring. American Psychologist, 34(10), 906-911. https://doi.org/10.1037/0003-066X.34.10.906
Barkley, R. A., Murphy, K. R., & Fischer, M. (2007). ADHD in Adults: What the Science Says. Guilford Press.
Toplak, M. E., West, R. F., & Stanovich, K. E. (2013). Practitioner review: Do performance-based measures and ratings of executive function assess the same construct? J Child Psychol Psychiatry, 54(2), 131-143. https://doi.org/10.1111/jcpp.12001
Roy, M. M., Christenfeld, N. J. S., & McKenzie, C. R. M. (2005). Underestimating the duration of future events: Memory incorrectly used or memory bias? Psychological Bulletin, 131(5), 738-756. https://doi.org/10.1037/0033-2909.131.5.738
Zheng, Q., et al. (2022). Time perception deficits in children and adolescents with ADHD: A meta-analysis. Journal of Attention Disorders. https://doi.org/10.1177/1087054720978557
外からのフィードバックで、見積もりを現実に合わせる
計画と現実のずれを、目に見えるようにします。
iPhoneと、最新バージョンのAndroidでは、Ebbiはタスクごとの予定の時間と、実際にかかった時間を比べます。+1や+5で足した分と、早く終えたタスクも数えます。そして時間がたつと、「タスクは通常、計画より35%長くかかっています」といったパターンを示します。これは外からのメタ認知フィードバックです。このアップデートより前に記録されたAndroidのセッションには、予定の時間だけが表示されます。
目的は、見積もりが苦手なことを、ユーザーに悪く感じさせることではありません。見積もりと現実のずれを目に見えるようにして、直せるようにすることです。いつも30%短く見積もる人は、余裕を足し始められます。長く見積もりすぎる人は、タスクが思ったほど大変ではないと気づけます。どちらも、自己認識が深まることです。ただし、ADHDのある人の計画の正確さが高まるかどうかは、検証されていません。
見積もり精度は、Proに含まれます。
限界について、正直に
研究が裏づけていることと、裏づけていないこと。
ADHDのある成人について、アプリで予定と実際の時間を記録すると、今後の計画の正確さが上がるかどうかを直接検証した研究はありません。人はタスクの所要時間を短く見積もりがちで、ADHDのある子どもとティーンは時間の判断がより不正確ですが、Ebbiのような外からのフィードバックが、ADHDのある人の見積もりの精度を高めるという考えは、私たちの設計上の推論であり、検証された知見ではありません。具体的な実装は、対照試験で検証されたことがありません。
Ebbiの利用データが、いずれこのアプローチの根拠を示してくれるかもしれません。それまでは、裏づける研究と具体的な機能設計とのあいだに隔たりがあることを、包み隠さずお伝えします。